[レポート] 1人目のPDM が組織にプロダクトマネージメントを浸透させるために行っていること #pmconf2021
2021年10月26日(火)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2021』がオンライン形式で開催されました。
当エントリでは、ブレイクアウトセッション『1人目のPDM が組織にプロダクトマネージメントを浸透させるために行っていること』の参加(視聴)レポートをお届けします。
目次
セッション概要
セッション概要は以下の通りです。
1人目のPDM が組織にプロダクトマネージメントを浸透させるために行っていること
[登壇者]
・森 哲也氏(株式会社ココペリ / Big Advance事業部 事業開発グループ グループマネージャー)
[セッション概要]
株式会社ココペリに1人目のPdMとして入社をし、プロダクトマネージメントを組織に浸透させるために日々模索しながら活動しています。
既存の組織において、新たにプロダクトマネージメントを根付かせる方法や経験、苦労している点について事例として紹介したいです。
具体的には、弊社サービスのBig Advanceは既に6万社以上のユーザがいるプラットフォームです。
日々のPdM業と組織にプロダクトマネージメントを根付かせるための組織活動、短長期の時間軸含めたリソースの割り振り方に苦労しており何を捨て何を選択したかをお話させていただければと思います。
(※以上、公式サイトより引用)
セッションレポート
はじめに
- 自己紹介
- 企業紹介
- 2007年06月設立
- ミッション:企業価値の中に、未来を見つける。
- ビジョン:中小企業にテクノロジーを届けよう。
- 中小企業の現状と課題:労働生産性の向上が大きな課題
- 現状:国内経済における中小企業の存在感は絶大なものがある
- 課題:一方、中小企業の労働生産性は低水準
- サービス概要:中小企業の成長と地方創生を支援するBtoB SaaSモデル
- Big Advance:全国の地域金融機関と協業する中小企業向け経営支援プラットフォーム
- AIモジュール「FAI」
- その他ITサポートサービス
- データ活用による高付加価値化
- 中小企業のBig Advance上で蓄積される行動データや金融機関が保有している勘定系データ等を活用・総合的に分析し、新たなアウトプットを創出
Big Advanceについて
- 事業概要の説明
- Big Advanceの仕組み
- 金融機関毎に「◯◯ Big Advance」として中小企業へサービスを提供
- 地域・金融機関の枠を超えた、これまでにないサービス提供を実現
- 会員企業数の四半期推移
- 導入金融機関の推移
- 今後の成長戦略
- 国内最大の中小企業向け経営支援プラットフォームへ
1人目のPdM入社からこれまで
- (森氏)入社時の会社の状況 2020年12月:
- サービス会員、金融機関を含めて既に多くのユーザーがついたサービス、PdM1名体制へ
- 感じた3つの課題
- 既存プロダクト開発の効率性への課題意識
- 組織内で立ち上がる、プロダクト企画・提案による合意形成の難しさ
- 既存のステークホルダーとのコミュニケーションパスに対する課題意識
- 実践してきた施策
- プロダクト開発に対するプロセス変更の提案を行った
- Biz/PdM/Engによるスクラムでの開発を推進
- PdMがプロダクトの意思決定を出来るように案件を集めていった
- サービスの方向性合意形成を行う場を用意し、職種問わずサービス企画の機会を提供
- プロダクト企画会議の設立
- リーンキャンバスベースの企画書テンプレート化
- 既存コミュニケーションの可視化
- CSとプロダクトの組織間で役員陣を巻き込んだ方向性のすり合わせを行った
- プロダクト開発に対するプロセス変更の提案を行った
- 得られた学びと気付き
- 1人のPdMとして対応出来るキャパシティを理解出来た
- PdMだけがプロダクトマネージメントをするのでは無く、会社全体でプロダクトマネージメントをする
- 既存メンバーがどのようにしてプロダクト推進を行っているかを学べた
- 「PdMが組織に必要だ」と思ってもらえる様に徳を積むこと
- 経営陣や組織リーダーによる新たな職種への権限移譲の
- Tips
- (1).変化を受け入れにくい/受け入れやすいアプローチ
- 「HRT」な姿勢:Humility(謙虚)/Respect(尊敬)/Trust(信頼)
- Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか | Brian W. Fitzpatrick, Ben Collins-Sussman, 及川 卓也, 角 征典 |本 | 通販 | Amazon
- (2).チェンジマネジメントについて:大規模な変革を推進するための8ステップ
- (1).変化を受け入れにくい/受け入れやすいアプローチ
ココペリPdM組織のこれからについて
- 2021年10月の状況:サービス会員、金融機関、社員数も増加。PdMも複数名入社してチーム体制の移行期にある
- チーム体制に移行する上で出て来た「新たな3つの課題」
- これまで曖昧にしてきたPdMの役割
- プロダクト開発の進め方が多様になってきた
- プロダクトの方向性に関してのコンセンサス
- 課題に対応した3つのアクション
- (1).PdMの役割定義:
- ユーザーの課題解決を達成するためのプロダクト戦略・ロードマップの策定及び推進に責任を持つ/プロダクトの「What」と「Why」に責任を持つ
- プロダクト開発の進め方を統一
- プロダクトロードマップを中心に据える
- プロダクトの方向性、方針をロードマップにて可視化
- ロードマップを軸に優先度を決める
- ロードマップ上の各課題にPdMをアサインして、プロジェクト化して進めていく
- 組織拡大に伴うプロセス統一の重要性
- プロダクトロードマップを中心に据える
- PRDの導入
- PRD = Product Requirement Document / 開発するプロダクトや機能の目的、背景、要件などをまとめたドキュメント。
- 組織拡大に伴うドキュメントの重要性
- 関係者でのコンセンサスの醸成
- プロダクトの方向性をぶらさない
- (1).PdMの役割定義:
総括
- 組織にプロダクトマネジメントを浸透させるためには、
- PdM1人体制に於いては、組織でプロダクトマネージメントする事を考える
- 組織に変化をもたらすには、信頼関係、主体性、変化の必要性の共通認識が必要なため、チェンジマネージメントを意識する
- これまでのやり方やチームのリスペクトを大事にし、自らも変化していく
- プロダクトマネジメントの仕組み化を推進
- 経営陣や組織リーダーによる新たな職種への権限移譲の支援
- 大変で泥臭い、1人目でしか出来ない、良い体験が出来る。機会があれば挑戦してみるのも面白いと思う。
まとめ
という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2021のセッション『1人目のPDM が組織にプロダクトマネージメントを浸透させるために行っていること』の視聴レポートでした。